- 書店
電子書籍市場ができつつあることを「好機」と捉えられる書店さんは、生き残れる。小さい店で小回りが利く方が有利なぐらいだ。リアル店舗で電子書籍も売ればいい。棚というコンテクストと一緒に。そしてネット上でも「棚」作りをすればいい。
「そんなこと言われても、アマゾンの検索性とか、品揃えとかには勝てないし。大体、値付けなんてしたことないよ」
そうだ、同じ闘い方をしたら確実に負ける。でも本屋には、究極の双方向コミュニケーションが元来あったはずなのだ。ひいきにしてくれるお客様と対面でモノが売れるという、密度の濃いインターフェース。顔が見えるお客様がいる、ということの強みを生かせる書店が、これから絶対に現れると私は信じているし、応援したい。誰もやらないなら自分がやろうかな、ぐらい考えている。誰か出資してくれませんか?w
- 出版社
「メディアはなくならない」。器が変わっても、コンテンツを必要とする人とコンテンツを生みたい人とは、いなくならない。だから出版社は安心して本来の仕事であるコンテクスト作り、すなわち「編集」を力に生き抜いてほしい。
むしろ、これから新しい器を企画し、パブリッシュする重要な役割をかっさらっていってほしい。KindleもiBooksも、そういう意味ではまだ紙のメタファーでしか電子書籍を提供していないのだから。
具体的に進んでいる話でいうと「ぴあ」が復刊する、といった辺りか。SaaS(サービスとしてのソフト)ならぬMaaS(サービスとしての雑誌)が出るわけだ。
- 出版流通
うーん、問題はここだ。これは困ったなあ。既存の出版流通業界がどこまで変化に対応できるのかが、分からないからだ。
日本語と再販制度でガチガチに守られた日本固有の出版業に、過度に最適化してきた出版流通業は、携帯電話市場以上にガラパゴス化していて、これから身動きが取れるんだろうか?と心配だ。ああ心配だ心配だ。
考えられるのは、卓越したロジスティックス、膨大な既刊書籍のデータベースなど、個別の機能がバラバラに売りに出されること。つまり買収された後に解体される、という可能性だ。
今までもキュレーター(目利き)として書店の棚作りに貢献してきたような営業さんは、会社を飛び出し、前述の1か2にくっついて何か始めるかもしれない。
と何だか長いもん書いたわりには、なーんだ、って感じだが、私が言いたいのは既得権益を守りたいやつは滅びろとかそういうことではなくて、まだまだ行けるよ!日本の出版業界、ってことだ。
ただし、変化に耐えられず滅びを待つのではなく、行動しようよ!と呼びかけたい。叫びたい。いいもん持ってんだからさ、みんな。本が、雑誌が、コンテンツが、メディアが好きでこの業界に入ったんだろ? だから、ずっと好きを仕事にしていられるように、変わろうよ!
と熱いことを書いていたら、昨日からの風邪がぶり返して本当に熱が出てきたので、この辺で。
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